Ooh La La

宇宙戦艦ヤマトの二次創作小説や創作日記など書いています。

カテゴリ: 小説

 ロックはその日、とある惑星にいた。 静寂に包まれた地表は、岩だらけで苔すら生えていない。「ここもか」 見上げると空は暗く、星々はほんの僅かにしか見えない。 ロックは、ため息をつくと、諦めて宇宙船に戻ることにした。 宇宙船を飛ばし、この星系の他の惑星をセ ...

 マゼラン市郊外の宇宙港、記者会見場――。「母さん!? どういう事!?」 荒垣英子は、息子が青い顔で問い詰めているのに対し、決して目を合わせようとしなかった。 数ヶ月前から彼の母親と入れ替わり、荒垣英子を演じてきたのだから。 荒垣英子が、いつの間にか別人になっ ...

 その頃、輸送船団の護衛艦隊は、ようやく太陽系内まで辿り着き、木星軌道まで到着していた。  被弾したボラー連邦の難民輸送船は、ここに来てエンジンのダメージが深刻化し、暴走するか爆発するかの危険性があった。この状態で、火星に着陸させることは難しい。 そこで ...

 それからしばらくして、戦闘空母ガロードは、宇宙へと上がるべく発進した。 その時メルダは、ブリッジで、立体スクリーンに映る基地司令ハイゼルからの叱責を受けていた。「どういうつもりだ!? ゲート前で何をやったのか、全部報告を受けている!」 メルダは、涼しい顔を ...

 数時間前――。 「エリーサ。 このメッセージを君が見ていると言う事は、私はもうこの世には居ないだろう」 エリーサは、ガミラス大使館の執務室で、気怠げにソファーに腰を下ろして、そのメッセージを眺めていた。夫の遺書となるメッセージは、戦場に向かうたびに新た ...

 火星、マゼラン市郊外の宇宙港――。  宇宙港に着陸した反ガミラス同盟のメンバーの乗る宇宙船からは、続々とメンバーが降りていた。 客席の頭上の収納棚から荷物を下ろし、小島夫妻も宇宙船の出口へと向かおうとしていた。「拓郎」 小島拓郎を呼び止めたのは、荒垣英 ...

 火星、ガミラス大使館――。  マゼラン市の市長ベルナールは、ガミラス大使のエリーサ・ドメルの元を訪れていた。「今回の騒動について、地球連邦政府を代表して、深くお詫び申し上げます」 大使の執務室で、立ったまま謝罪するベルナールに対し、エリーサは窓の外を眺 ...

 学生らが防衛大の講堂を占拠してから二日が経った。  集まった学生は集団で講堂の入口にバリケードを築き、中に立て籠もっていた。この抗議活動の為に準備した食料品などは、最初に持ち込んでおり、一週間程度は活動が出来るはずだった。しかし、予想外に人が増え、今や ...

「見ろ」「あれ無人なんだってな」「うわぁ。こっちを向いたりしないだろうな?」 反ガミラス同盟がチャーターした火星行きの旅客船は、大気圏を抜けて宇宙へと飛行していた。彼らが旅客船の窓から見つめる先では、二門の砲塔を装備した戦闘衛星が一基浮かんでいた。小型の ...

 極東管区防衛軍司令部の自身の執務室で、行政長官中西はデスクの端末で遠方からの通信を受けていた。 予想通り腹を立てた芹沢は、司令部のスタッフに当たり散らした為、やむを得ず彼を司令部から追い出した。そんなことをやっていたが為に、部屋に戻るのに少々時間を食う ...

 防衛大――。  決起集会の翌日、医学科の一部の数十名の学生を中心としたデモ活動が始まった。 休日ということもあり、講堂でシュプレヒコールを上げる彼らを興味本位で眺める学生らも多くいた。 防衛大での政治活動は基本的に禁止されていたが、四年生で校友会の委員 ...

 火星上空――。  美晴は、激しいGに耐えながらループを続けていた。背後から、メルダの操るコスモファルコンが同じくループで追ってくる。「どうした! そんな方法で逃げ切れると思っているのか!? 反撃することも出来ずに、お前は、また私に落とされるんだ」「……う、 ...

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